ある経営者からの相談
直接の仕事ではないが、経営者同士で話をする機会が多く、
そういう場面では世間話から始まり、気が付けば
ほぼ8割は仕事上での問題点などを聞かされる事が多い。
若い頃は自分の話を聞いて欲しかったが、
最近はどうも聞き役が多い。
ほとんどが先輩だから、若輩の私に相談されても、
対処の仕方は先輩方が分かっているはずなのだが、
兎に角、聞いてもらいたいらしく、
特にアドバイスをしなくても
話した後は何事もなかった様に
スッキリした顔で最後は帰って行く。
結局、大した問題ではなく、
すぐに迫りくる問題でもないようだが、
実はこの時間が私には非常に大事な時間で、
その様な事象が発生した際
「自分ならこう対処するだろうな」とか、
実際には体験していないが、
シュミレーションしている自分がいる。
以前であれば、こういう風にしてみたらどうかとか、
色々と自分の考えを話していたが、
先輩は先輩なりに色々な経験を積んでいるから、
そもそも回答を求めていない事が最近になって分かった。
どちらかと言うと、
自分が考えている対処を確認している様に感じる事が多い。
そもそも、自分から話して置いてなんだが、
どう対処すべきかは、初めから決めていて、
「こう対処するぞ!」と自分に言い聞かせている。
私に話す前に色々と考え決めているから、
そこに迷いはない。
この例は、ほとんどが経営者としてのベテランで
何十年も思い悩み、対処してきている方々が多く、
成功されている人達である。
逆に、全てを見て聞いている訳ではないので
偉そうには言えないが、
終始愚痴を言い、誰の意見でも聞き、
あれも良い、これも良い!と言う人は、
ぶれているのが分かり、終始迷っている。
自分自身で決めれないから、結果が悪ければ、
アドバイスが良くないと嘆く。
それが本当なのかどうかは分からいないが、
「全ての事象は自分の心の反映である」と考えれば、
(解説:自分の周りで起こる事象は、
自分の心の在り方が反映されますと言う意味である)
良い結果が出た時は、
自分の力ではなく周りの方々のお陰と感謝し、
悪い結果が出た場合は反省すれば
次に繋がる様になると考える。
全てに於いて、パーフェクトな
人生なんてそもそもあり得ない。
裕福な家庭に産まれ、何不自由なく育ち、
親から会社も受け継いでも、
そこに感謝や反省する心がなければ、
現状に満足出来ずに際限ない欲が膨んでいく。
欲を抑えられない人間の結末は、
おして知るべしで、自分も周りも不幸にする。
「足るを知る」人生でありたい。
中村